神々の里

 通潤橋(つうじゅんきょう)から高千穂峡に行ってきました。比較的近場でまだ行ったことがなかったからです。
 台風15号が沖縄の南方海上で迷走を続けていますので、その影響で宮崎県では前日までにかなりの雨が降っていました。
 それでも、今日は熊本県の通潤橋に着くまでは雨はなく、12時の放水に丁度間に合いました。バスから降りて急いで橋の上に上り、 放水のための栓を抜くところからバッチリ見ることができました。放水は12時から約10分から20分、それも土・日・祝日に限られているそうです。 ちなみに、個人的に頼めば見せてくれるそうですが、1万円必要だそうです。
 通潤橋は、1854年(江戸時代・嘉永7年)に、水源がなかった白糸台地に送水するために造られたアーチ式の石橋です。 当時、地元の総庄屋であった布田保之助(ふたやすのすけ)という人が計画し、資金を調達して建造したと言われています。  高さ20m、長さは75mもあり、石工技術レベルの高さを証明する歴史的な建造として、国の重要文化財に指定されています。
 放水は、送水管にたまったごみや泥などを洗い流すために行われるものですが、現在はその放水が貴重な観光資源となっています。
 途中、道の駅で昼食をとるころには雨がひどくなりましたが、次の目的地、宮崎県の高千穂神社に着いたころは、 小止みになって傘もいらない程度でした。
 高千穂神社は、高千穂皇神(たかちほすめがみ)と十社大明神が祀られているとされていますが、 現在は縁結びの神様として親しまれています。樹齢800年以上とされる大杉がありますが、その周りを手をつないで回れば、 縁結び・夫婦円満・友達とも仲良く友情が続くと言われています。
 次は高千穂峡散策。
 高千穂峡は、阿蘇カルデラを作った火山活動によって、五ヶ瀬川渓谷を流れ下った火砕流によって出来た峡谷です。 X字型峡谷で、高さ80m〜100m、長さ7kmにも及ぶ大峡谷が続いており、総称して五ヶ瀬川峡谷とも呼ばれています。
 散策は、真名井(まない)の滝を中心にした約30分、川のせせらぎを聞きながら、ひんやり爽快な散策路になっていますが、今日は前日までの 大雨で、流木が散策路をふさぎ、渓流は濁流と化していました。
 それでも、幸いに雨が上がっていましたので、それなりの高千穂峡散策を楽しむことが出来ました。
11・9・19
 

  12時の放水を見ようと集まって来る観光客。
左の銅像は布田保之助
 通潤橋の上に上がって放水の瞬間を待つ。
放水は橋の左右両側にされる。
 

  高さ20m、長さ75m、石橋の真ん中に設置された栓を抜いて豪快な放水が始まった。  放水は12時から約20分前後、それも土、日、祝日にしか行われない。
 

 宮崎県高千穂神社。縁結び・夫婦円満・家内安全の神様として親しまれている。  この大杉の周りを、手をつないで回ると、縁結び・夫婦円満・願い事がかなうとされている。
 

 雨上がりの高千穂峡散策。峡谷の上に架かる3本の橋が絵になる。  さわやかなはずの渓谷の流れも、先日来の大雨で今日は濁流と化している。
 

 大雨の後なので、あちこちの崖っぷちから滝のように水が流れ出る。まるで白糸の滝のよう。  真名井(まない)の滝。高千穂峡のメイン観光スポット。
貸しボートで峡谷の川下りを楽しむことも出来る。
 


 さて、次はいよいよ神話の里、天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)です。
 天照大御神(あまてらすおおみかみ)が祀られている神社ですが、 西本宮裏手に岩戸川という小川があって、その対岸の断崖中腹にあるとされる「天岩戸」という岩窟が御神体とされています。 撮影禁止で、人は立ち入れない場所とされていますので、草木がうっそうと生い茂り、肝心の岩窟は見えません。
 神話によれば、太陽の神、天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、弟の荒ぶる神、須佐之男命(すさのおのみこと)の乱行ぶりに手を焼き、 怒って岩屋の奥に閉じこもってしまいました。太陽の神が隠れてしまわれたのですから、世は真っ暗闇に包まれてしまいました。
 ほとほと困った八百万(やおよろず)の神々は、何とか天照大御神に出て来てもらおうと、河原に集まってあの手この手と相談をしました。 そこで、芸達者な天鈿女命(あめのうずめのみこと)が賑やかに面白おかしく舞い踊り、それに合わせて他の神々たちも宴会を始めました。
 あまりの騒々しさに、何事かと興味を示された天照大御神が岩戸を少し空けて覗いたところを、手力雄命(たぢからおのみこと)が 岩戸を投げ飛ばして、天照大御神を連れ出したので、世に再び光が戻ったとされています。
 その八百万の神々が集まって相談をされたとされる河原が、岩戸川を500mほど遡った場所にあります。 そこは天安河原(あまのやすかわら)と呼ばれている場所で、河原の傍の薄暗い洞窟には天安河原宮があり、八百万の神が祀られています。
 少し不気味な、本当に神様が居そうなこの辺りは、スピリチュアル・パワースポットとして有名で、願い事をかなえてもらおうと、 人々が積み重ねて願をかけた小石が、洞窟前の河原一面に点在しています。 両手を広げて、深呼吸をすれば神様のパワーが頂けるとかで、実際に手先にピリピリと感じるという人も居ました。
 最後は、荒立神社(あらたてじんじゃ)。ここには、猿田彦命(さるたひこのみこと)と、先ほどの芸達者な天鈿女命(あめのうずめのみこと) が祀られています。ここも神様のパワーが頂ける神社として有名だそうです。
 この辺の神社は、小さくて古く、決して立派な神社とは言えませんが、それだけに本当に神様が居そうな神社でした。 それに、食事中やバスでの移動中に降り続いていた雨が、神社参拝や観光・散策中は不思議と小止みになっていました。 これって神様の引き合わせかも……。このことは添乗員も感じていたようです。
 

 神々の里に到着。手力雄命(たぢからおのみこと)が岩戸を投げ飛ばそうとしている看板。  天岩戸神社。社の裏手に回って小さな岩戸川の向こう岸、断崖の上に天岩戸があるそうだが撮影禁止でした。
 

 今も八百万の神々が集まっていそうな天安河原(あまのやすかわら)。洞窟の奥は天安河原宮。  河原に小石を積み上げて願いごとをすれば願いが叶うとされる、最高のスピリチュアル・パワースポット
 

 天の浮橋。この橋の上で両手を広げて、大きく息を吸って最高の神々のパワーを頂く  橋の下を流れる岩戸川の清流。この辺りも神々の里最高級のスピリチュアル・パワースポット
 

 荒立神社(あらたてじんじゃ)。猿田彦命と芸達者な天鈿女命(あめのうずめのみこと)が祀られている。  古くて小さな神社で、決して豪奢な造りではないが、ここの社の裏手でも神様のパワーが頂ける。
 

 

 

 

inserted by FC2 system