勇壮!!「博多祇園山笠」

 今年も博多っ子の血を沸かす「博多祇園」がやって来ました。福岡市の博多地区で毎年7月1日から15日にかけて開催される、 博多どんたくと並んで、博多の2大祭りの一つです。
 正式には「櫛田神社祇園例大祭」で、疫病除去と災厄除去が結びついた山笠神事として発展し、 1241年から770年の歴史を誇っています。今年は770年という節目の大祭でもあり、一段と力が入っています。
 博多と言う地名は、現在では福岡市の中心を流れる那珂川を境に、東側を博多、西側を福岡と大別されているようです。市の名前を博多市にするか福岡市にするか、 紆余曲折があったようです。結局、市名は福岡市となっていますが。博多と言う地名は今も残り、福岡市の表玄関はJR博多駅です。
 山飾りは7月1日から各町内に飾り付けられています。
 山笠には、飾り山14台と、舁き山7台があり、飾り山は10m前後の高さがあります。山笠にはそれぞれ表面と裏面がありますが、表面を「表(おもて)」裏面を「見送り」と言います。 最近の傾向としては、表は戦国時代の武将の活躍を人形にしたものが多く、見送りには子供向けの人気アニメや、おとぎ話の世界を表現したものが多くなっています。
 昔は、15、6mの山笠を担いで回っていたそうですが、各地で電線を切断する事故が相次いだため、高い山は飾り置くだけとし、3メートル前後の高さの山を担いで回るようになりました。
 それが舁き山(かきやま)と言われる、水法被に締め込み姿の男衆が勇壮に町内を担いで走り回る山笠です。

2011・7・15
 

  二番山笠、千代流  表:「天下布武誉」
(てんかふぶのほまれ)
 二番山笠、千代流  見送り:「足柄怪童勲」
(あしがらかいどうのいさおし)
 

  六番山笠、東流  表:「天下繚乱戦国陣」
(てんかりょうらんせんごくのじん)
 六番山笠、東流  見送り:「山笠起源由来縁」
(やまかさきげんゆらいのえにし)
 

 七番山笠、中州流  表:「攻防千早城」
(こうぼうちはやじょう)
 七番山笠、中州流  見送り:「老公妙案救天下」
(ろうこうみょうあんてんかをすくう)
 

 八番山笠、上川端通  表:「京一条戻橋」
(きょういちじょうもどりばし)
 八番山笠、上川端通  見送り:「秀吉賤ヶ岳合戦」
(ひでよししずがたけのかっせん)
 

 九番山笠、新天町  表:「疾風迅雷六文銭」
(しっぷうじんらいろくもんせん)
 九番山笠、新天町  見送り:「アニメ美食屋トリコ」
(あにめびしょくやとりこ)
 

  十番山笠、博多リバレイン  表:「博多之豪商」
(はかたのごうしょう)
 十番山笠、博多リバレイン  見送り:「天璋院篤姫」
(てんしょういんあつひめ)
 

  十一番山笠、天神一丁目  表:「季長元寇之武勲」
(すえながげんこうのぶくん)
 十一番山笠、天神一丁目  見送り:「尊氏多々良浜誉」
(たかうじたたらはまのほまれ)
 

 十二番山笠、渡辺通一丁目  表:「一寸法師話」
(いっすんぼうしばなし)
 十二番山笠渡辺通一丁目、見送り:「アニメ名探偵コナン」
(あにめめいたんていこなん)
 

 十三番山笠、福岡ドーム  表:「鷹昇快進撃」
(たかのぼるかいしんげき)
 十三番山笠、福岡ドーム  見送り:「奮戦箙の梅」
(ふんせんえびらのうめ)別名:源平一の谷の合戦
 

 十四番山笠、博多駅商店連合会  表:「大坂夏の陣」
(おおさかなつのじん)
 十四番山笠、博多駅商店連合会  見送り:「ワンピース」
(わんぴーす)
 

  十五番山笠キャナルシティ博多 表:「流星光底逸長蛇」(りゅうせいこうていにちょうだをいっす)  十五番山笠、キャナルシティ博多  見送り:「武勲桃太郎」
(ぶくんももたろう)
 

  十六番山笠、川端中央街  表:「戦国の女江」
(せんごくのおんなごう)
 十六番山笠、川端中央街  見送り:「ドラえもん」
(どらえもん)
 

 十七番山笠、ソラリア  表:「怪力相撲日田殿」
(かいりきすもうひたどん)
 十七番山笠、ソラリア  見送り:「勇者ライオンズ」
(ゆうしゃらいおんず)
 

 十八番山笠、櫛田神社  表:「智将疾風関ヶ原」
(ちしょうしっぷうせきがはら)
 十八番山笠、櫛田神社  見送り:「神話天之岩戸譚」
(しんわあまのいわとのたん)
 


 博多祇園山笠は7つのグループがあり、そのグループの単位を「流(ながれ)」といい、昔は13流に増えた時期もあったそうですが、 現在は、恵比須流・大黒流・土居流・東流・西流・中州流・千代流の七流になっています。
 女人禁制となっており、舁き山を担ぐ人のことを「舁き手(かきて)」と言います。江戸時代までは締め込みだけの姿だったそうです。 明治時代になって裸同然のスタイルが問題になり、締め込みの上に水法被を着る、現在のスタイルになったと言われています。
 博多っ子の血を沸かせた「博多祇園山笠祭り」も、15日の「追い山」でフィナーレを迎えました。
 

 集団山見せに登場した舁き山  呉服町から天神までの明治通りは、車禁止の歩行者天国
 

 舁き手は水法被・締め込み・脚絆・地下足袋というスタイル  沿道からはザブザブと水がかけられる
 

 

 

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