「人間が持つ恐るべき念パワー」

 人間の魂は死によって霊になり、永遠の霊界生活を送る事になるのだが、生きた人間の心(魂)も時によっては、ものすごいパワーを発揮する事がある。いわゆる生霊が発する「念」パワーである。
 あなたは、憎しみのあまり「ええィ いっそ死んでしまえばいい!!」と思ったら、本当にその人が事故で死んでしまった。とか、「病気にでもなれ!!」と思ったら、本当に病気になった。とか、強く強く憎悪の炎をたぎらせると本当にその通りになる現象に、自分自身が恐くなって、人知れず悩んでいる人の話を聞いたことはないだろうか。それは生きた人間の持つ「念力」によって引き起こされる、恐るべき現象で、本当にあり得る話である。
 テレビなどで、興味本位のスプーン曲げなどやっているが、あれもタネや仕掛けがないとすれば、一種の念力だろう。だがこの念の力、実は恐いものなのだ。場合によっては人を呪い殺すほどのエネルギーを発散する。
 念力を利用した一番オーソドックスな呪いの方法は、「丑の刻参り」として知られる「呪いのワラ人形」。丑の刻つまり夜中の午前2時に、ワラ人形に5寸釘を打ち付けて人を呪い殺そうとする方法だ。この科学万能の時代に何とも時代遅れで信じられない事だが、いまだに日本のどこかでこの方法で呪いをかけている人がいるという。
 人間の恨み、憎しみ、嫉妬などは、一心に思いつめると、それが念の塊となって相手を攻撃する。信じがたい事だが、その念は時として相手を苦しめたり、病気にしたり、場合によっては死に追いやったりする。そしてあろうことか愛する家族に災いをもたらすことだってあるのだ。
 主人が毎晩毎晩遅く帰って来る。いつも心配で心配で寝ずに待っていたのに、どうやら不倫をしているらしい。決して夫を嫌いではない。いやむしろ愛している。なのに夫は別に愛人をつくってしまった。
 こうなると今まで愛していただけに夫に対する愛が憎しみに変り、憎悪の炎が燃え上がる。「いっそ浮気出来ないように足腰が立たなくなればいい!!」。と一心に思いつめると、その念パワーが夫を攻撃して、本当に足腰が立たなくなったという話もある。
 また、いつもいつも悪さをしては、警察沙汰になる悪ガキ息子。ついに堪忍袋の緒が切れた父親が烈火のごとく怒り、「お前なんか死んでしまえ!!」と怒鳴ってしまったら、急におとなしくなり、食べ物も食べなくなってだんだん衰弱し、ついに入院してしまった。
 この場合は、父親が思い直して念を解いたので死なずに済んだが、可愛さ余って憎さ百倍、一心に思いつめた念が発するエネルギーは、実は恐い存在でもある。このような現象を加念障害と言う。
 また、念の障害について是非知ってもらいたい現象に返り念障害と言うことがある。
 先ほどの、呪いの藁人形の話に戻るが、ある奥さんが、ポックリ逝った夫の遺品を調べたら、鞄の中から呪いに使った藁人形が出てきた。何故だか分からないが、おそらく愛人でも出来たのだろう。この主人は邪魔になった奥さんを呪い殺そうと、密かに藁人形を使って呪いをかけていたらしい。
 ところが、この奥さんは霊の存在や神の存在を信じていたから、毎日神様のエネルギーを頂くお祈りをしていた。当然の事ながら、主人の念の力よりも、奥さんの魂の力のほうが数段強かった。その結果主人がかけた呪いは、奥さんの魂にはじき返されて、そっくりそのまま呪った本人に返って来たのだ。自分でかけた死の呪いで自分が死んでしまった。返り念障害の最も顕著な例だろう。
 このように、人間の魂の力は強力で、神様のエネルギー(霊流)だって引くことが出来る。頭脳(思考)ではなく、胸(心)でエネルギーを引くのだが、その方法については、にわかには信じて貰えないと思うので、ここではまだ紹介しないが、いずれ紹介する機会もあろう。決して苦しい修行を積んだり、仰々しく何かを身にまとってお祈りをしたり、お祓いの儀式をしたりするものではない。何も要らない、極端に言えば、風呂に入っていても、便所の中ででも出来るお祈りである。
 従って、簡単と言えば簡単だが、全ての雑念を払って、胸の想いの力で一心にエネルギーを引くのだから難しいと言えば難しい。ちなみに私はまだ、神のエネルギーが引けているという実感はないが、なにか目に見えない力に生かされているという気はしている。
 ここでもう一つ、心配性の人や内向的な人が陥りやすい自念障害についても、触れておかなければならない。
 自念障害というのは、自分が発した悪念が他人に作用せず、自分の心の内にこもって、自分に作用する結果、自分が病気になったり、事故や災難に遭ったりする現象を言う。
 人は多かれ少なかれ、悩みや不安、心配事を持っているが、これが極度に思いつめた状態になると、その想いが自分の心を占領し、その結果、身体のあちこちに不調が現れたり、うつ状態になって、あらゆる病気や災難を自分の身の上に引き寄せてしまう。
 自念障害が恐いのは、心の中が悩みなどの暗い想念で満たされているから、外界でうごめく同じような暗い想念を持つ霊を呼び込んでしまうことだ。その結果、絶えずくよくよイライラしているような人は、病気ばかりではなく、悪霊の憑依(とりつき)し易い体質になってしまう。
 このような自念障害は、心の持ち方一つでコントロール出来るから、何事も思いつめず、くよくよイライラせず、いい方へ、明るい方向へと気持を切り替えていけば、一瞬にして解消する障害ではある。
 ともあれ、このように使い方によっては、他人に対しても自分に対しても、恐ろしい念力(想いの固まりの力)もまた、霊媒体質の人の方が顕著に現れるように思う。
 スプーン曲げや、予知能力、テレパシイを試すぐらいはまだ可愛いが、まかり間違えば死に至らしめる恐い念力でもある。とんでもない事だが、目に見えない殺人だって可能なのだから、軽はずみは慎まなければならない。  

  

2001.08.28   

  

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