上高地散策
5月12日(木) 今日のお目当ては上高地散策です。
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釜トンネル前の梓川の清流 |
中部国際空港・セントレアから愛知県、岐阜県を通過し、安房トンネルをくぐって長野県に入った頃からポツリポツリと降り出した雨が、上高地入り口の釜トンネルに入るあたりから本格的になってきました。
釜トンネルは、掘ったままの岩肌むき出しで、電気もついていない真っ暗な、しかもバス1台やっと通れるほどの狭いトンネルで、一方通行でした。
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レインコートに傘差して散策出発 |
したがってトンネルの入り口は信号待ち。誰かが「青の洞門みたい」と言いました。
トンネルを抜けると間もなく上高地の散策地に到着です。
上高地は中部山岳国立公園の中にあり、年間180万人もの人が訪れる、日本を代表する山岳公園だそうです。
北アルプス(飛騨山脈)は日本海に臨む糸魚川市から乗鞍岳までの、南北約100kmにわたって連なる大山脈です。
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雨上がりの水墨画を思わせる風景 |
上高地はこの北アルプスの南部に位置していて、3,000m級の穂高連峰をはじめ、霧沢岳や活火山の焼岳などの高山に囲まれた、標高約1,500mの梓川流域に開けた細長い盆地状の地形をしています。
バスは散策基点の大正池付近に着きました。大正池は大正4年の焼岳大噴火の際、火砕流によって梓川がせき止められて出来たせき止め湖だそうです。
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雨上がりの水蒸気で煙る梓川付近の山々 |
3分の2程度の人はここで降りて散策に入りましたが、雨足がひどくなったので私たちはここで降りるのを断念して、田代橋の付近で降ろしてもらいました。
標高1,500m、しかも雨ときてはかなり肌寒く、しっかり着込んだ上にレインコートを羽織り、傘をさして散策に出かけました。
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雪解け水がとても冷たい梓川の清流 |
梓川の清流と両岸に生い茂るカラマツ林、小雨に煙る付近の山々が見事に調和して、まるで水墨画を見ているようでした。写真でしか見たことはありませんが、中国の桂林のようなあの風景です。
こうなると、「雨は雨でまたいいもんだなぁ」と思いながらシャッターを押し続けました。
カラマツは日本に自生するただ一つの落葉性の針葉樹です。いまやっと冬から目覚め、新芽が芽吹き始めたところでした。
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天気がよければこの向こうに穂高連邦が見えるはず |
時間の関係で散策は河童橋周辺まででした。なぜ河童橋なのでしょうか?。
かってこの付近には、さも河童が棲んでいそうな深い渕があったからだとも言われていますが、定説はないそうです。
要するに、水遊びをするには危険なくらい深い渕を河童が渕といい、河童に引きずり込まれそうに危険な渕にかかる橋という意味のようです。
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河童橋付近の梓川 |
その河童橋まで来たら雨が上がりました。遠くの穂高連峰は見えませんが、近くの山々から立ちのぼる雨上がりの水蒸気が、幻想的な世界を見せてくれました。
登山姿の人たちが次々と更に上流に向かって歩いて行きますが、私たちはここまで。
梓川の清流とせせらぎの音を聞きながら写真を撮り続けました。
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穂高連峰の案内板もむなしい |
さて、その梓川ですが、真夏でも10℃以下という水の冷たさは、その源流を槍ヶ岳としているそうです。
槍ヶ岳から雪解け水が急流を駆け下り、上高地付近で一旦緩やかな勾配で蛇行しながら流れ、釜トンネルから先はまた急勾配となり、梓川渓谷のV字谷を駆け下ります。
松本盆地で奈良井川と合流し、犀川となって北に進路をとり、千曲川から、更には信濃川となって、日本海に注ぐ総延長約350kmの大河となります。
今日の宿泊地はアルペンルートの出発点・扇沢に近い大町温泉でした。
2005・05・21
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