恐るべき霊媒体質

 普通の人には見えない霊が見えたり、霊の声が聞こえたり、予知能力があったりする人のことを霊媒体質者という。いわゆる霊のかかりやすい体質を持った人のことである。
 幽霊が見えたり、霊の声が聞こえるのはいささか気味が悪いが、予知能力は好都合の時もある。従ってこういう体質の人は、自分を超能力者だと勘違いして、それを売り物にしている人さえある。
 最近のテレビは興味本位に、こういう人を霊能者として紹介しているが、ただの霊媒体質者であることが多い。本当の霊能者とは、霊を自在にあやつり、未浄化の霊を浄化(浄霊)して、霊界の高いところへ送ってやれる人のことであって、仰々しくお祓いをして除霊したり、これ見よがしに霊を追い払ったりするのは、まだまだ霊能者の域に達していない。  

霊界とはどんなところか?
 霊界と限界は表裏一体の世界で、明確な区別があるわけではなく、この世は人間と霊との共存の場なのである。人間の数よりも霊の数の方が圧倒的に多い。従って霊は、あなたの部屋の中や車の中はもちろん、すぐ側や体の中にだって入り込んでいる場合もある。 霊界こそが壮大無限な全体であって、人間界はその中に含まれる極微小な部分に過ぎない。霊界から見れば、この大宇宙でさえも豆粒ほどでしかない霊界のほんの一部分なのだ。

死とは魂の霊界への誕生である。
 人間は、肉体、頭脳、心(魂、想念)という三つの要素から成り立っている。そしてこの三要素がバランス良く機能し合ってこそ、総合的に健康な人と言えるのであるが、その総元締め的存在なのがである。だが、人々はこのを軽んじ過ぎてはいないだろうか?
 まず、身体の重要性については誰でもが分っている。そして最近は特にが重要視されてきた。「脳の死をもって人の死とする」とは、ある意味では身体より脳を重要視していることになる。ところが一番重要なのは心(魂)なのだ。
 心は、人間だれもが平等に持っている。そして他の動物は持っていないことは、何回も書いた。
 人が死ぬということは、脳も含めた肉体を脱ぎ捨てて、魂だけが新に霊界生活を始めることなのだ。 従って、死を恐れることはさらさらない。死に対する恐怖は、現界にしか通用しない、頭脳によってもたらされる観念である。
 そして、人間の寿命は長くて100年そこそこだが、霊界での霊の生活は、ほとんど半永久的に続く。霊はその中で自己の魂を磨きながら少しづつ向上し、やがては神霊への道を進むのだが、そのスタートの場所が、死の直前の想念のあり方で決まる。つまり、霊界の高き神界からスタートするのと、地獄魔界からスタートするのでは雲泥の差がある。人間界とは全然違う霊界の仕組みを知り、霊を知り、神を知ることが、あなたの霊界生活の場所を決定する。 (神と宗教を参照) 三要素のうち、が一番重要とする理由はここにある。

 さて、人間の持つ三要素のうち、核たる存在である魂(心)は、目には見えないが人間すべてが持っていて、この魂の存在こそが、すべての人が霊性を持っていることの証とも言える。
 ここで、三要素のほかに、幽体について述べなければならない。
 幽体は、人間の生命のみなもとである魂と、肉体及び頭脳を結ぶ連結媒体であるが、同時に他の霊との媒体役もする。すなはち、色々な霊の波動をキャッチし、それを魂に伝えるのが幽体である。そして、死亡時には幽体と魂が一緒になって、肉体から離脱(幽体離脱)する。
 心身ともに健康な人の幽体は、その霊的密度が極めて希薄であるが、人によっては幽体密度がかなり高い人がある。そういう人の幽体は常に霊界近くにあって、霊の波動をキャッチしては魂に伝えるから、しょっちゅう幽霊が見えたり、霊の声が聞こえたりする。それが霊媒体質である。霊媒体質は生まれながらのものと、後天的なもの、更には作り出されたものなど、いろいろあるが、その説明は、いずれ機会があったらにしよう。

恐怖の霊媒体質
 人間に近づいてくる霊は、殆ど成仏できずに霊界をさ迷っている低級霊(悪霊)であり、高級霊になればなるほど、人間界には興味を示さなくなる。高級霊が、すばらしい霊界での生活を謳歌し、更に神霊への道を極めようとしているのに対し、低級霊は、その霊界での生活の、あまりの苦しさ、過酷さに耐えかねて、人間界をなつかしがり、人間に救いを求めてくるのである。
 このように人間界に介在してくる霊は低級霊であるから、霊にとりつかれた人こそいい迷惑で、霊の苦しみをそのまま受け継ぎ、原因不明のあらゆる病気になったり、事故に遭ったり、火事その他の災難に遭ったりする。
 また、四六時中人間に介入してきて、ああしろこうしろと命令したり、時には、「誰それが死ぬぞ」と教えたり、競馬や競輪などのギャンブルの当り番号を教えて、大儲けさせたり、霊の介入の態様もさまざまである。
 こう書いてくると、予知能力を与えたり、当り番号を教えたりする霊は、とても便利でいい霊ではないかと思うだろう。が、やはりこれも低級霊のいたずらであるから、このような霊と関わりあっていると、いつのまにか、身も心も霊に占領され、やがては廃人同様になったり、命を奪われたりすることになる。
 霊媒体質者は常に霊と背中併せ、いつもあそこが痛い、ここが苦しい、あるいは常に病気勝ち、事故や災難に遭いやすい、時々自分が自分でなくなるような気がする、記憶が何者かに奪われる、という不可解な現象から、果ては、「この世に嫌気がしてきたろう? さァ死のうじゃないか、ほらそこから飛び降りろ」などと耳元でささやく霊もあるという。
 霊を自在に扱うことの出来る本当の霊能者であれば問題ないが、ただの霊媒体質者は、本当に危険と隣あわせであるから、常に超神霊のエネルギーをいただいて、低級霊の働きかけをはね返す力をつけなければ、大変なことになる。

 

2001.11.28  

 

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