日経平均株価はなぜ上がらない?

 多くの上場企業は好決算を発表し、増配会社が相次いでいるのに、株価は反応薄。日経平均は狭いレンジでのわずかな上下動を繰り返しています。
 先行きの景気の見通しも決して悪くはないのに株価は無反応。個別的に仕手系や材料株が打ち上げ花火のように散発高を繰り返しているだけです。
 企業買収を恐れ、復配や増配に走る企業が相次ぎ、株式市場の平均配当利回りは、ついに長期国債の金利をも上回りました。
 市場には2%以上の利回り企業がごろごろしていますし、多くの企業は株主優遇にも目を向け始めています。なのになぜ株価は上がらない???

 株価は色々な要素が入り混じって形成されますが、基本的には需要と供給の関係で決まります。需要が供給を上回れば株価は上がり、供給が需要を上回れば下がります。
 そして株は上がるか下がるか二通りしかありません。確立で言えば50%。きわめて単純明快のようですが、これがなかなか厄介です。
 日経平均は昨年の4月に12,000円をつけた後、1年以上も10,500円〜12,000円の間を行ったり来たりしています。なぜなのでしょうか?。

 一つには外人買いの低迷があります。
 日本の株式市場なのに外人の売買状況は50%以上。外国人の動向が市場を大きく左右します。
 ではなぜ外国人は好調な日本企業の株を買ってこないのでしょうか。そこには円安が大きく左右しているようです。
 外国人にとって、株では儲けても円安になれば為替で損をします。したがって為替の動向には神経を使わざるを得ないでしょう。出来れば株と為替の両方で儲けたいのです。
 長期的には円高基調ですが、今年一杯に限ってみれば円安傾向が続くだろうとみられています。

 もう一つは、景気がよくなったといっても、大企業が中心で中小企業はまだ病み上がり、国民の多くが好景気を実感できずにいます。
 加えて日本人は貯蓄は熱心ですが、投資や投機には臆病です。現金抱えてわずかな0.0・・%の世界を右往左往しています。
 かって投機に加わっていた投資家も、バブル崩壊時の急落の痛手から覚めやらず、慎重になり過ぎているようです。

 今一つはディトレーダーの台頭です。
 ネット証券の台頭と手数料破壊が進んだ結果、わずかな利幅を求めて1日に数回売買を繰り返す、新たな投資家が増えたことです。
 手数料は従来の10分の1以下になり、わずかな利益でも数多く売買を繰り返すことによって、そこそこの利益を得ることが可能になりました。
 ちょっと値が上がればすぐ売り、少し下がればすぐに買うわけですから値幅は知れたもの。日経平均は殆ど微動に終わってしまうのです。

 いずれにしても日本の景気は病み上がり。まだ自信を取り戻してはいません。国民もいつリストラの対象になるか分からず、恐々としている状態ですから株どころではないようです。
 であれば、ここはやはり外国人に頼るしかなさそうです。円安が止まって円高に向かいだせば外人買いが復活するものとみています。
 まだまだ低金利は続きそうです。お金はだぶついています。株価に勢いがつけば、慎重だった国内投資家も積極的に参加してくるでしょう。
 外資系の有力ファンドが、日本株に目をつけて水面下で動いているのは確かなようですから、アクシデントさえなければ、来年あたりには期待できるのではないでしょうか。

2005・06・15
 

TOPページへもどります
 

inserted by FC2 system