技量審査場所って何だ?

これでいいのか大相撲

 大相撲が変だ。
 負け越した力士が昇進するなんて、本当に技量を審査したのか? 運も実力のうち? この感覚がわからない。
 技量を審査するということは、ただ単に八百長をなくすというだけではなく、その力士が本当にその地位にふさわしいか審査することだろう。
 17人居なくなったから、その穴埋めをするのが目的だったら、技量を審査するなって言葉を使うのはチャンチャラおかしい。  該当者が居なければ空席にすればいい。何も定員を定めて、それを埋める必要はない。技量審査場所とは、そういう場所かと思っていた。  「一生懸命にやったから負け越しても昇進させてもいい」…なんて屁理屈は、相変わらず相撲界はファンをないがしろにしているとしか思えない。
 そもそも、今の大相撲は、それぞれの地位に該当する力士が非常に少ない。  白鵬一人が横綱で、あとは幕内全員、幕尻から「よーいドン」だ。十両も最下位から「よーいドン」でやればいい。負け越した力士はどんどん落とすこと。  逆に、いい成績の者はどんどん上げればいい。そうすれば力士の目の色が変る。十両と幕下の待遇改善なんか必要ない。それだけ厳しいのが実力の世界。
 もともと、春場所も開催すべきだった。あれだけ騒いだ八百長問題だからこそ、今ならカチンコの勝負が見られると思っていた。  ファンあっての大相撲。特に年配者にとっては、年6回の本場所を楽しみに待っている大相撲なのだ。
 八百長をやった力士を全部洗い出し、追放処分にしたら、大相撲は成り立たない。それほど根が深い問題を、軽々しく「すべて洗い出す」なんて、初めから出来るはずがない。  八百長相撲は、以前からささやかれていた。現に告発した力士も居る。全部の真相を明らかにしたら、既に引退した、親方や、相撲協会の役員にも及ぶ。軽々しく「真相解明」なんて言わない方が良かった。  トカゲの尻尾切り、真相を告発しようとした者には口封じ、臭い物には蓋、真相解明なんてまるで出来ていない。でも、場所を休む必要はない。落ちたりとはいえ、まだまだ大相撲を楽しみにしているファンも多いのだ。
「真相を調べた結果、親方を含め、殆どの力士がやっていたようで、収拾がつきません。これからは絶対やりませんので、許してください」そう言って、理事長以下全員で頭を下げればいいのだ。
 改革ついでにもう一つ。相撲を面白くするためには、同じ部屋の力士とは取り組まないのは不公平。個人別すべての総当りにして、真のチャンピオンを争う場所にすること。  「同じ部屋の兄弟弟子同士相撲をとることは出来ない」なんて、生ぬるいことを言っている場合じゃない。ボクシングは本当の兄弟だって殴り合う。  「相撲は単なる格闘技ではない」との意見もある。でもそんなことでは相撲の魅力は薄れてしまい、若い人は寄り付かなくなるだろう。
 苦言ついでにもう一つ、今回の技量審査場所の入場無料はおかしい。相撲界は何を考えているんだ? 大震災で大変厳しい生活を余儀なくされている人達が大勢居る今、半額でも料金を取って、被災地に送るべきではなかったのか。
 NHKも放映しないのはおかしい。相撲の魅力が薄れて、八百長問題が決着していないとはいえ、全国には、数少ない娯楽の一つとして、大相撲の放映を待ちわびている人も多い。被災地の人だって待っていただろうに…。
 何もかも、おかしい!おかしい!

2011・05・27
 

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