東日本を襲った大震災に思う

日本は必ず復活する

 三陸沖でおきたマグニチュード9.0の超巨大地震。そして、その後に押し寄せてきた巨大な高さの大津波が、あれよあれよと言うまに建物を破壊し、住宅や車を押し流していく。 たまたま初めからテレビを見ていて絶句。まさに現実のこととは思えないような光景にテレビに釘付けとなった。津波は恐ろしいとは聞いてはいたが、まさか現実にあのような光景を目にしようとは。 あの、ものすごい津波のエネルギーと破壊力。、自然の猛威の前には人間がいかに無力かをまざまざと見せ付けられた。
 それだけではない、海岸に建設されていた福島原発も津波によって破壊され、完全に安全神話は覆された。こちらはある意味人災と言ってもいい。原発も恐ろしい。一度事故になったら取り返しはつかなくなるからだ。
 私の家から約10キロの所にも玄海原発がある。私はもともと原発には反対派だったので、反対集会に参加もしたし、九電の説明会にも出席したことがある。そのときの説明が背筋が寒くなるようなものだったことを覚えている。 我々には良く判らない専門用語を並べて説明した挙句「今までに事故はなかったからこれからも安全だ」で、締めくくられた。冗談じゃない、原発は事故が起きてからでは遅いのだ。「そんなに安全なら、福岡のど真ん中に原発を造れ」との野次が飛んだのも当然だ。 今回の大震災で被災された皆さんには気の毒だが、今回の福島原発が、まさに事故の恐ろしさを立証してくれたと思う。その事故は、18日経った今でもまだ終息の見通しさえ立っていないどころか、日に日に悪化しているようにさえ思える。
 未曾有の大災害で、被災された方々に「ご冥福をお祈りします」とか、「頑張って下さい」とか言うのは簡単だが、本当に気の毒で、適切な言葉が見つからない。でも、日本人はくじけない。必ず復興する。 日本人の崇高さ、冷静さ、助け合う姿や勤勉さが世界中の人々から注目され、そして、それは尊敬のまなざしとなって、世界の殆どの国々から支援の手が差し伸べられている。私達は遠く九州にいて、直接手は差し伸べられないが、事態が落ち着けば必ず復興の槌音が響きわたることを確信している。
 ただ、ひとつ気になる現象が日本中に広がっているように見える。それは予定されていた行事やイベントが、すべて中止や自粛になっていることだ。被災地の方々の気持ちを思えば当然だし、それでも足りないくらいだが、日本全体がシュンとなって沈み込んでしまっては、経済が冷え切っててしまう。 やっと不況から立ち直りかけていた日本経済が、また沈み込んでしまうことだけは避けなければならない。被災地復興に一刻も早く立ち上がらなければならないのに、肝心の経済が冷え切って、どうして被災地復興が出来ようか。 予定されていた祭りや行事、イベントあるいは統一地方選挙などにも一定の経済効果がある。幸いにして今回の大震災に遭わなかった所は、元気の発信地にならなければならない。哀悼やお見舞いの意を表することと、沈み込んでしまうこととは違う。元気があってやれる所はやればいい。 そして、その元気を、被災地支援という形にして送り込むことこそが、災害に遭わなかった人達に求められていることではなかろうか。

2011・03・29
 

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