プルサーマルはやはり恐い

 やっぱりね! 何が何でもやるんだね!! 国が推進するものは反対しても押し通すんだもんね!!!
 先日、経済産業省主催のプルサーマル導入に対するシンポジウムが開かれた。
 残念ながら出席はできなかったが、2月に行われた九電主催の説明会から、あまり変わり映えはしなかったという。
 そもそも、安全審査を担う国が、一電力事業者と一緒になって推進するのはおかしいとも思う。
 地球温暖化が進んでいるいま、火力発電と違って二酸化炭素を排出しない原発の必要性は、ある程度理解できる。
 でも、地震は?、テロは?、戦争は?、放射能漏れは? 作業員の被爆や汚染は? と考えると、やはり住民としては原発は恐い。ましてやプルサーマルはなおさら恐い。
 説明会やシンポジウムでは安全性ばかりが強調されたという。やっぱりと言うほかはない。「初めに実施ありき」なのだ。

 以前、玄海原発3、4号機増設反対集会に参加したことがある。
 そのときも「今まで事故がなかったから安全だ」とか「専門家が言うから安全だ」という乱暴極まりない説明に終始した。
 今回も安全性の説明には専門用語が多くて素人にはさっぱり分からなかったらしい。
 国が行った安全説明を、追随派の専門家が、そのままなぞるだけの説明では住民は納得できない。いつものことだが、肝心の住民は消化不良のまま、なし崩し的に押し通される。
 そして、国家権力に対しては司法までが追随する。諫早湾干拓工事がそうだ。
 プルサーマル計画とは、使用済みのウラン燃料から生じるプルトニウムとウランとを加工した混合酸化物(MOX)燃料を一般的な原発の軽水炉で燃やす計画で、実施されれば我が国初となる。
 「軽水炉内のMOX燃料の混合割合を3分の1以下にすれば安全性に問題はない」とされているが、もともと「軽水炉型原発はプルトニウムを使用するようには出来ていないから、危険性は更に高まる」との指摘もある。
 私も原発に対してはド素人だからよく分からない。だからこそ不安が先にたつ。チェリノブイリ原発や、その他の原発事故が頭をよぎる。また、企業や業界の隠ぺい体質も気になる。

 地方自治体と九電で交わした「安全協定」では、一応地元の同意を得ることが義務付けられている。
 ところが、この安全協定を結んでいるのは、佐賀県と玄海町だけで、唐津市は締結していないという。これはおかしい。
 玄海原発と唐津市鎮西町串地区はわずか600メートルしか離れていない。半径10キロメートル圏内の住民は玄海町民の約4倍もいるのだ。
 形の上では、唐津市は地元ではなく、同意は必要ないとされている。これは九電の意図だろうか。それとも唐津市の怠慢か?
 いま、唐津市の住民から「安全協定」の締結要望が上がっている。当然だ。県はもっとこのことに積極的に介入すべきだし、九電はこれを拒んではならない。
 なぜなら、玄海町は原発の恩恵に十分あずかっているし、原発推進派の多い町だから、住民の意思を正確に反映しているとは言えない。

 我が家はこの10キロ圏のすぐ外側に位置するが、北西の風が多い冬場に事故が起これば、1発でアウトだろう。
 放射能は賛成派の上にばかりは降らない。こんな所からは家をたたんででも逃げ出したい。30キロメートル圏外へ。私にとって原発はそれほど恐い。
 被害にあうのはいつも弱者。ここでもまた、事故が起きないように祈るしかないのだろうか。
 いま、玄海原発が閉鎖されるなら(あり得ないことだが)、多少の電力不足には甘んじよう。節電もしよう。終戦後には「線香送電」や「ろうそく送電」も経験したのだから、クーラーが使えないぐらい、なんのそのだけどなァ。
 エッ 線香送電、ろうそく送電とは何かって? 
 うん 蛍光灯の無かった時代は白熱電球だけだったけど、その電球の中のニクロム線だけが赤くなる程度の送電しかなかったのが「線香送電」で、周りをぼんやり照らす程度の送電が「ろうそく送電」。
 今となっては、なつかしいねェ。

2005・10・3
 

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